賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

食いしん坊・カソリの韓国食べ歩き!

韓国食べ歩き:第31回(最終回)

(『あるくみるきく』1987年1月号 所収) 東アジアの食文化 さて、韓国の主食だが、日本と同じように「飯」といっていい。 飯は米などの穀物を穀粒のまま炊いた「粒食」形態の食べ物。日本でも飯を主食にし、「飯」と「食事」が同義語になっているほど…

韓国食べ歩き:第30回

(『あるくみるきく』1987年1月号 所収) 印象に残った食事は… ところで食べ歩いた韓国食を振り返ってみると、ひとつ、強く印象に残っている食事がある。それはソウルを出発する前に、市場の一角にある食堂で食べた朝食である。 朝食の時間帯、その食堂…

韓国食べ歩き:第29回

(『あるくみるきく』1987年1月号 所収) 圧倒的に量の多い韓国食! 光州(クワンジュ)からソウルへの帰路も鉄道で。 特急「セマウル号」に乗った。「セマウル号」のゆったりしたシートにもたれかかり、車窓を流れていく風景に目をやりながら、私はあ…

韓国食べ歩き:第28回

(『あるくみるきく』1987年1月号 所収) 辛くない料亭料理 光州(クワンジュ)の料亭料理はご飯、味噌汁、豆腐のチゲ、6種のキムチ、3種のナムル、サワラの焼き魚、イシモチの煮魚、タコの酢の物、焼肉、玉子焼き、ニンニクの醤油漬け、カボチャの揚…

韓国食べ歩き:第27回

(『あるくみるきく』1987年1月号 所収) 日本と韓国の似ている点は… 朝鮮半島は、ユーラシア大陸の肉食・乳食文化圏に隣り合っている。 しかし韓国は、その食文化圏には含まれていない。それは市場を歩いてみれば、はっきりとわかることだ。 たしかに…

韓国食べ歩き:第26回

(『あるくみるきく』1987年1月号 所収) 肉料理抜き!?の料亭料理 光州(クワンジュ)の料亭料理のとてつもない量の多さはさておき、それを食べてみて感じたのは、料理の中に占める肉料理の比重の低さであった。 30皿近い料理のうち、わずか1皿、焼…

韓国食べ歩き:第25回

(『あるくみるきく』1987年1月号 所収) 光州の料亭料理 あっというまに、光州(クワンジュ)を離れる日がやってきた。 わずか4日の滞在であったが、名残おしい、忘れがたい光州だ。 私たちはすっかりお世話になった徐さんを招き、光州最後の食事をす…

韓国食べ歩き:第24回

(『あるくみるきく』1987年1月号 所収) 甕器づくりの村 光州(クワンジュ)には、神崎さんが懇意にしている徐一相さんがいる。 日本で生まれ、日本で育ち、終戦とともに故国の韓国に戻ってきた徐さんは60歳。日本語が達者だ。私たちは徐さんの車、…

韓国食べ歩き:第23回

(『あるくみるきく』1987年1月号 所収) 夕食の韓定食 夕食は韓定食にした。 ご飯、味噌汁、キムチのほかに、イシモチ、アサリ、ダイコンの入ったチゲ(鍋)、青菜とワラビ、ズイキのナムル、煮魚、トウガラシをきかせたサトイモの煮物、タコとシュン…

韓国食べ歩き:第22回

(『あるくみるきく』1987年1月号 所収) 日本と韓国の違い 韓国では肉を煮る料理も発達しているし、干肉もよく食べられる。 焼肉、煮肉、干肉、生肉という肉料理のバリエーションの広さが、ユーラシア大陸の牧畜民の世界、言葉を替えれば、肉食文化圏…

韓国食べ歩き:第21回

(『あるくみるきく』1987年1月号 所収) 野菜料理と牛肉料理 ソウルから光州(クワンジュ)に舞台を移して、さっそく私たちの食べ歩きがはじまった。列車内で昼食の弁当を食べていたので、軽い食事をしようと、中心街にとった宿の近くの食堂に入った。…

韓国食べ歩き:第20回

(『あるくみるきく』1987年1月号 所収) 1976年の韓国 3度目の韓国は1976年12月で、やはり関釜フェリーで釜山(プサン)に渡った。 そのときは釜山を中心にしてその周辺をまわった。 釜山はすっかり装いを新たにし、山肌にへばりついていた…

韓国食べ歩き:第19回

(『あるくみるきく』1987年1月号 所収) 1971年の韓国 2度目の韓国は1971年7月で、関釜フェリーで下関から釜山(プサン)に渡った。 釜山からは列車を乗り継ぎ、慶州(キョンジュ)→テーグ→大田(テージョン)→堤川(チェチョン)→江陵(カ…

韓国食べ歩き:第18回

(『あるくみるきく』1987年1月号 所収) 初めて見る異国の風景 私が初めて朝鮮半島の土を踏んだのは、1968年4月。「アフリカ一周」(1968年~1969年)のときだ。 横浜港からアフリカ南部のモザンビークに船で渡ったのだが、その船という…

韓国食べ歩き:第17回

(『あるくみるきく』1987年1月号 所収) 車窓の風景 9時05分、光州(クワンジュ)行きの特急「セマウル号」は、定刻通り、ソウル駅を出発した。 ソウルの中心街を走り抜け、韓国第2の大河、漢江(ハンガン)にかかる鉄橋にさしかかると、対岸には…

韓国食べ歩き:第16回

(『あるくみるきく』1987年1月号 所収) 特急セマウル号 私たちはソウルから韓国南部、全羅南道(チョンラナムド)の中心地、光州(クワンジュ)に行くことにした。全羅南道は気候が温暖で海産物に恵まれ、食材も豊富にある。 「(韓国の)食は光州に…

韓国食べ歩き:第15回

(『あるくみるきく』1987年1月号 所収) トウガラシの歴史は? トウガラシは今でこそ、韓国料理には欠かせないものになっているが、朝鮮半島に伝わった歴史はごくごく新しい。たかだか、3、400年前のことでしかない。食文化の悠久の歴史でいえば、…

韓国食べ歩き:第14回

(『あるくみるきく』1987年1月号 所収) トウガラシの辛さ 東大門市場近くの食堂で夕食を食べながら思うことは、 「韓国料理はなんでこんなに辛いんだろう」 ということだった。 キムチも辛い。チゲも辛い。さらに、テーブルの上には、生の青トウガラ…

韓国食べ歩き:第13回

(『あるくみるきく』1987年1月号 所収) 人家二大行事 韓国では初冬のダイコンやハクサイのキムチの漬け込みの季節を「キムジャン」と呼んでいる。そのキムジャンの季節に、私は以前、プサン(釜山)に行ったことがある。 市場にはダイコンやハクサイ…

韓国食べ歩き:第12回

(『あるくみるきく』1987年1月号 所収) 夕食のキムチの皿数 東大門市場近くの大衆食堂で焼き魚とチゲ、カルビの夕食を食べたが、テーブルにズラリと並んだキムチの皿数の多さには驚かされた。数えてみると6種、あった。 それら6種のキムチというの…

韓国食べ歩き:第11回

(『あるくみるきく』1987年1月号 所収) 東大門市場近くでの夕食 午前中は南大門市場を歩いたので、午後は東大門市場を歩いた。くたくたになるまで歩きつづけ、夕食は東大門市場近くの大衆食堂で食べることにした。 その一角には食堂が何軒か並んでい…

韓国食べ歩き:第10回

(『あるくみるきく』1987年1月号 所収) 「サムゲッタン」を食らう! 南大門市場の屋台では、ブタの臓物のほかに、腸詰も食べた。 この腸詰というのは、ブタの腸に強飯とはるさめを詰めたもので、それにブタの血やトウガラシ粉、コショウ、ネギ、ニン…

韓国食べ歩き:第9回

(『あるくみるきく』1987年1月号 所収) 「魚醤油圏」のなれずし 日本からインドシナへとつづく「魚醤油圏」でひとつ興味深いのは、このエリアでは、「なれずし」が作られ、食べられていることだ。 韓国ではシッケと呼んでいるが、いったん塩漬けにし…

韓国食べ歩き:第8回

(『あるくみるきく』1987年1月号 所収) 臓物と魚醤油 南大門市場内には、ブタの臓物を食べさせる屋台が並んでいる。 私たちは好奇心にかられ、さっそく味わってみることにした。 とはいっても、臓物が目の前にズラリと並んでいるのはちょっと異様な光…

韓国食べ歩き:第7回

(『あるくみるきく』1987年1月号 所収) 続・南大門市場を歩く 南大門市場を歩いていて、とくに私の目をひきつけたのは塩辛売場だった。 塩辛のことをチョッカルといっているが、イカ、ホタルイカ、アミ、エビ、カニ、ヒシコイワシ、スケトウダラの子…

韓国食べ歩き:第6回

(『あるくみるきく』1987年1月号 所収) 南大門市場を歩く 私たちは南大門市場を歩きまわった。 穀物売場には何種類もの米のほかにアワ、ヒエ、モロコシなどの雑穀類や麦類、豆類が売られている。 それに隣あって、香辛料売場がある。さすがトウガラシ…

韓国食べ歩き:第5回

(『あるくみるきく』1987年 所収) 南大門とは… 喫茶店でひと息入れたあと、私たちは南大門市場に行った。 ソウルには南大門市場と東大門市場の2大市場がある。 そのほかにも市内の各地に市場がある。市民は店で買物をするよりも、市場で食料品などを…

韓国食べ歩き:第4回

(『あるくみるきく』1987年 所収) 喫茶の伝統 朝食後、街をプラプラ歩いた。 目についたのが「チーチャ」(葛茶)を飲ませる屋台。さっそく味わってみた。 丸太のようなクズの根を圧縮機でぎゅっと絞り、そのままコーヒー茶碗に入れて飲む。クズ根の汁…

韓国食べ歩き:第3回

(『あるくみるきく』1987年 所収) 箸と匙 ソウル到着の翌朝は、早朝の市場を歩きまわり、朝食も市場内の食堂で食べた。 ご飯に味噌汁、キムチが3種、カボチャとタチウオの天ぷらというメニューだった。 ご飯と味噌汁はステンレス製の器に入っている。…

韓国食べ歩き:第2回

(『あるくみるきく』(1987年1月号 所収) ソウルの焼肉店 私たちは夕暮れの街に出かけていった。まずは夕食だ。 鼻を利かせて何軒もの食堂をのぞいてまわったが、すこしでもおいしそうな店、すこしでも雰囲気のよさそうな店…をと探しまわる神崎さんの…